2025年07月13日
「酵素」とは、主にたんぱく質で構成されており、人間や動物、植物などすべての生き物が生きていくうえで必要な、消化・吸収・代謝などの化学反応を促進するものです。私たちの体の中にはおよそ5000種類の酵素があるといわれており、「消化酵素」と「代謝酵素」に分けられます。
食べた物を分解して、体に吸収しやすいようにする酵素。消化酵素は、炭水化物(でんぷん)を分解する「アミラーゼ」、たんぱく質を分解する「プロテアーゼ」、脂肪を分解する「リパーゼ」、核酸を分解する「ヌクレアーゼ」などに分類されます。なお、私たちの唾液の中には、でんぷん分解酵素である「アミラーゼ」が、胃液の中にはたんぱく質分解酵素の「ペプシン」が、すい液の中には脂肪分解酵素の「リパーゼ」が含まれています。
消化酵素以外のもので、体内に吸収された栄養素を体の細胞に届ける酵素。新陳代謝や血液循環の促進、免疫力アップ、老廃物の排出など、生命活動のすべてに関係しています。
発酵過程で微生物が原料の栄養素であるでんぷんやたんぱく質を分解するため、体内で分解する必要がなく、体への負担が軽減されます。
発酵食品に含まれる乳酸菌や納豆菌には、腸内環境を整える働きがあります。それらを含む発酵食品をとり入れることで免疫力が高まり、健康維持に役立ちます。
老化の原因である活性酸素の発生を抑えるのに、抗酸化物質の摂取が有効です。味噌や赤ワイン、チョコレートなどの発酵食品には、抗酸化物質であるポリフェノールなどが豊富に含まれているため、体内で増えすぎた活性酸素を除去し、体の酸化を防いでくれます。また、発酵の過程でつくられるアミノ酸や酵素などが新しい細胞の生成を促すため、美肌効果も期待できます。
多くの発酵食品に含まれているビタミンB群には、代謝を促進する作用があります。
また、味噌や醤油、納豆など大豆系の発酵食品に含まれるイソフラボンには、血液中の悪玉コレステロールを減らす働きがあり、動脈硬化を予防します。
味噌や納豆、ぬか漬けやキムチ、ヨーグルトなどの発酵食品には、天然アミノ酸の一種であるGABA(ギャバ)という物質が含まれています。GABAは神経伝達物質として脳の興奮を鎮めて、イライラを抑えたり、リラックスさせたりする抗ストレス作用があるとされています。
食品を長期保存するためには、「発酵させる」ことが有効です。発酵を促す微生物が増えることで、腐敗菌を寄せつけないようにします。
発酵食品には発酵させることによって、味や香りが変化し、おいしく食べやすくなります。日本人が定義した味覚の一つに「うま味」がありますが、発酵によってこのうま味がもたらされます。
食品を発酵することで栄養価や健康調節機能が大幅に上がることが分かっています。発酵の過程で微生物がビタミン類など、さまざまな栄養成分をつくり出します。
パイナップル パパイヤ キウイ 梨 グレープフルーツ イチゴ バナナ
パイナップル、キウイ、パパイヤ、梨にはいずれもたんぱく質分解酵素であるプロテアーゼが含まれています。また、バナナにはでんぷんを分解するアミラーゼが豊富です。グレープフルーツ、イチゴ、柑橘類には脂肪を分解するリパーゼが多く含まれています。これらの食品は食前や食間に食べることで酵素の働きを最大限に活かすことができます。
納豆 味噌 漬物 キムチ ぬか漬け
発酵食品は食物酵素を多く含む食品です。この際、添加物の少ない食品または無添加の食品を選ぶことがポイントです。有害物質の処理にも酵素が使われるため、添加物を含む発酵食品を摂ることで体内酵素を無駄に消耗してしまいます。
大根 かぶ 山芋 キャベツ 玉ねぎ とうもろこし
野菜にも消化酵素を含む食品が多く存在します。大根、かぶには炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素全ての消化酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ)が含まれています。生の大根おろしなどは胃腸の調子を整えるのにおすすめの食べ物です。その他、キャベツ、山芋にはでんぷん分解酵素のアミラーゼが、玉ねぎにはたんぱく質分解酵素プロテアーゼ、とうもろこしには脂肪分解酵素リパーゼが含まれています。いずれも生で食べるのが酵素の効果を得るために一番よい方法です。
マグロ カツオ サバ イワシ
魚に含まれる消化酵素はたんぱく質の分解を促進してくれます。酵素の作用を活かすため、魚は生の状態で食べる刺身がおすすめです。
・酵素が働くためにはミネラルが必要なので、ミネラルが60~80種類入った天然塩を摂る
・冷たい飲み物ばかり飲むと、酵素の働きが落ちるので常温や温かいものを積極的に飲む
・体内酵素を減らさないために、和食、小食、腹八分が望ましい
・水を飲むと老廃物を排泄しやすくなるので、1日2ℓ飲む
・白砂糖 酸化した油 食品添加物 農薬 化学薬品 抗生物質 加工食品を摂ると、酵素を大量に消耗します
※参考資料・出典
「酵素が豊富な食品をご紹介。食事に取り入れて健康な食生活を送ろう」古山有紀監修
「食事道 感謝道 実践道 KIDS DREAM PARTNERS」山本敏生監修資料