2025年06月04日
逆流性食道炎は、消化の役割をする胃酸が、何らかの原因で食道へ逆流して食道そのものが消化され傷ついてしまう現象で、症状としては胸やけ、胸がむかむかする、酸っぱいものがこみあげてくる、お腹の張り、胃もたれ、喉のひりひり感、食べ物が喉や胸につかえる感じなどがあります。
食べ物を口に入れるとまず歯で咀嚼され、食道から胃へと進みます。胃には1.5lの液体や食べ物を入れることができます。胃の中ではペプシンという酵素によってタンパク質を分解します。胃は縦横斜めに収縮弛緩を繰り返し、蠕動運動により食べ物と胃液を混ぜ合わせます。ドロドロの状態になったものを、消化吸収を行う小腸に送り出します。
何らかのストレスがかかって自律神経が乱れると、精巧な筋肉の制御が乱れて、胃の上部にある噴門括約筋がうまく閉まらなくなり逆流性食道炎が起こります。胃の入り口には、食べ物や胃液が食道に逆流するのを防ぐために噴門括約筋で閉められています。ここは食べ物が通過する時だけ筋肉がゆるみ、食べ物が胃に下りていくのですが、何らかの原因で、その役割がうまく果たせないことがあるのです。
酸性度の高い胃酸から胃そのものを守るために、胃は粘液で覆われています。しかし食道はそのような構造にはなっていません。そのため何らかの原因で胃酸が逆流してしまうと、食道そのものが消化され傷ついてしまうのです。
逆流性食道炎の症状を抑えるために食事の際に1口につき30回噛むことを習慣づけることが有効です。これにより唾液の分泌量が増え、食道の洗浄や中和が行われるからです。これにより症状が緩和されます。頬車(きょうしゃ)というツボを押すと、唾液が分泌されます。場所は、下顎の骨の角と耳たぶの下端の間にあります。あとはストレスが大きな原因となっているのでスポーツや音楽など自分の好きなことをやって、ストレスを発散することが大事ですね。
※上記内容は科学雑誌“Newton”の竹村洋典先生監修『超感動の人体』の記事を参考にさせて頂きました。
ありがとうございました。